7月27日の夜

実家の犬が亡くなりました。
17才でした。


ちょうどバイトの休憩中に、母親から泣きながら電話が来た。


私が15才のとき、捨てられていたのを引き取りに行ったことを今でもよく覚えていて、どこの空き地が好きだとか、まぬけな仕草だとか、本当にキリなくいろいろいろいろ思い出しては、泣けて泣けて仕方がなかった。


次の日実家に帰ったら、ポルコの亡骸に紙の束が添えられていた。母親が手紙を書いたんだって。
泣きながら書いたことが想像つくから参った。




「呼んでもいない」

死んでしまったら当たり前だけど、何度も何度もそう言って泣く母親に、頷くことしかできなかった。

「うちに来て幸せだったのかな」
「仕事が忙しくて、あんまりかまってあげられなかった」

自分を責めてばかりいる母親に、何をバカなことを言ってるんだと叱る。

幸せだったに決まってるじゃないか
世界一幸せな犬だよ。
いちばん大好きな人に、どれほど大切にされてたか。
誰だってそう言うよ。



バカなことを言っちゃだめだよ

本当に幸せだったよ

絶対に。